研修医の声

倉敷中央病院 ジュニアレジデント2年目/荻野 真平

 2011年10月の1ヶ月間初期研修の一環として研修させていただきました。
 ももの里病院は笠岡に位置し、精神科で366床と比較的大きな病院です。周囲は自然に囲まれ、普段の急性期病院での研修とは違ってゆっくりとした時の中で研修を行うことができました。疾患も統合失調症、躁うつ病からアルコール依存症など幅広く、急性期から慢性期まで様々な症例を経験し、「こころ」の病気と向き合う1ヶ月となりました。
 急性期では、措置入院に関わるような症例に接することができ、また外来では病歴聴取から治療まで参加し、発症にいたるまでの経過や、患者への接し方、治療の介入まで色々と勉強させていただきました。短い期間でしたので治療効果を見ることはなかなか難しいですが、中には治療によって劇的に改善される方もいらっしゃって薬物治療の重要性を感じることができました。
 慢性期では、入院期間の長い患者の診察に関わる中で、最初は訴えがよく理解できなかったが、徐々に患者自身に考えや悩みが色々あることがわかり、またその考えや悩みをどうにかできずに苦しんでいる事がわかっていきました。疾患そのものだけでなく、社会的な面なども含めて治療介入していく難しさを痛感しました。
1ヶ月と短い期間ではありましたが、ここ「ももの里病院」での研修は自分にとって非常に貴重な体験となりました。日々医療に携わる中でつい「からだ」と「こころ」を切り離して「からだ」の異常ばかりに目を向けている自分を改めて見つめ直す事ができました。病気のストレスが「こころ」に影響を及ぼすのは当然であり、また逆のこともありえることがわかり、そういったところにも目を向けられる医師になりたいと感じました。最後になりましたが、この1ヶ月間指導医の先生をはじめとした先生方には、御多忙の中熱心に御指導いただき、またラーメン屋にも連れて行っていただき、本当に良くしていただきました。病院内のスタッフの方々も明るく声をかけて下さり、色々と御世話下さいまして、とても感謝しております。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
平成23年10月