研修医の声

倉敷中央病院 ジュニアレジデント2年目/川溿 雄大

 倉敷中央病院初期研修の一環として、平成24年5月の1ヵ月間研修させて頂きました。ももの里病院は岡山県南西部における精神科・心療内科専門の基幹病院であり病床数は366床、統合失調症や認知症、アルコール依存症、発達障害など幅広い精神疾患の総合的治療が行われており、併設のストレスケア病棟ではうつ病や不安障害などストレス関連障害の心療内科治療も行われています。自然に恵まれた立地で、穏やかな環境のもと日々の診療が行われています。
 研修は基本的には指導医の先生のもと、病棟回診や外来診察に参加します。病棟回診の際は、積極的に診察する機会を与えてくださいました。初期研修において精神科診療の経験はなく初めは戸惑うばかりでしたが、指導医の先生と併診し、ご指導して頂いていく中で患者様へのアプローチを自分なりに工夫できるようになってきたと思います。また精神疾患は薬物治療が主ですが、薬物の増減で症状が寛解していく様子を目の当たりにし非常に興味深かったです。薬物の十分な理解が必要であると痛感しました。
 外来診察においては、研修医はインテーク(予診)を担当させて頂くのですが、その後の診察で先生方がどのような訴えに着目し、治療介入していくのか一連の流れを経験することができ非常に勉強になりました。
 その他にも断酒会、訪問看護、作業所訪問、施設往診、デイケア見学など、今まで自分の中で不透明であった退院後の経過や社会復帰に関して知ることができ、多くの患者様と交流させて頂きました。また断酒会では患者様達の体験談をお聞きし、アルコールを断つ困難さやその苦悩を共有し、同じ意志をもつ仲間達と出会い交流していく場としての断酒会の重要さを痛感しました。
 先生方の診察を見学させて頂く中で、患者様への関わり方や治療方針、何より患者様との「呼吸」を学ばせて頂きました。また、スタッフの方々の患者様への接し方は学ぶことが多く、今後の自分の診察に生かせていけたらと思います。
 ももの里病院は笑顔の絶えない病院です。以前研修されている先生方も仰っているように、先生方をはじめスタッフの方々は家族のように仲が良く、よく気にかけてくださり分からないことも丁寧に教えてくださいました。名物である「笠岡ラーメン」に皆さんで連れて行ってくださったのも本当に楽しく良い思い出です。1ヶ月という研修期間はあっという間でしたが、このようなアットホームな環境で育ててくださったことに心から感謝しています。ありがとうございました。
平成24年5月