研修医の声
倉敷中央病院 ジュニアレジデント2年目/H. T.
私は、倉敷中央病院ではできない経験を数多くしたいと思い、倉敷市から車で一時間ほどかかる山里の中にあるももの里病院を選択させていただきました。ももの里病院では、期待通りに、倉敷中央病院とは全く異なる雰囲気の中で研修させていただくことができました。ももの里病院では、PHSがかかってくることもなく、スタットコールの放送もかからず、救急外来の患者さんの対応に追われることもありません。朝は小鳥の鳴き声を聞きながら病棟の申し送りを聞き、昼はツバメの巣を見ながら回診をし、夜はカエルの鳴き声を聞きながら帰路につきます。倉中に比べて、時間の流れはゆったりに感じます。だからといって、決して暇というわけではありません。精神科では、患者さんの話を聞くことに十分な時間を取る必要があります。初診の患者さんの予診を取るために、一時間以上も患者さんと話をすることもありました。じっくりと時間をかけて患者さんと向き合うことができることが、精神科の醍醐味だと感じることができました。また、時間が空いたときには先生やコメディカルの方々が持ち回りで講義をしてくださったり、救急当番の日に当直に入り、精神科単科病院の夜間当直の雰囲気を味わうことができたのも貴重な体験です。施設往診や支援学校健診などのために院外施設に出かけることも、この病院ならではの経験であったと思います。何よりも、先生方や看護師の方々、その他コメディカルや事務の方々もとても親切で、いろいろと気にかけて下さり、研修中困った思いをすることもありませんでした。これまで、精神科や、あるいは田舎の病院で働くことはあまり考えたことはありませんでしたが、今回の研修を通じて、それらも自分の将来の選択肢の一つとして考えられるようになりました。一ヶ月間という短い期間でしたが、どうもありがとうございました。
平成25年6月